民間患者等搬送車両の装備は、患者等搬送認定の基準となる資器材(バッグマスク、ポケットマスク、三角巾、ガーゼ、噴霧消毒器、各消毒薬など)の他、事業者が任意で搭載している、AED〔自動体外式除細道器)、酸素供給装置、吸引装置、点滴管理資器材、各種モニターなどとなっています。 構造的に、乗務員が業務を実施するために必要なスペ-スが確保でき、換気及び冷暖房の装置を備えていること、ストレッチャー及び車椅子等を確実に固定できることなどが必要条件となっています。また、緊急を要する事態が起こった場合などには消防機関に通報し速やかに指示に従わなくてはならないため、自動車電話又は無線機等、通信、連絡に必要な設備を設置するようにしなければならないことになっています。
●ストレッチャー
・ストレッチャーにはメインストレッチャー、サブストレッチャー、スクープストレッチャー等があります。
・患者を寝かせたままで運ぶ車輪のついたベッド。
・1人で高さを調節するものと、2人でするものがあります。
・点滴棒や酸素架台が搭載しているものもあります。
・幅約55~60㎝ 長さ約180~190㎝
●リクライニング車椅子
・背を好みの角度に倒せる機能が付いた車いすです。またエレベーティング機能もついており、片足ずつ曲げたままや伸ばしたままでの保持もできます。
・長時間座位姿勢を保持することが困難な方や、身体を支える力が弱い方、疲れやすい方などに適しています。
・弊社では搬送の際、2,000円で貸出しています。
●車椅子
・自走用と介助用があり、自走用は使用者自らが駆動・操作し、介助用は介助者が駆動・操作する。
・機能も多様化し肘掛けが上がったり、フットレストが開いたり又背中がリクライニングする車椅子もあります。
・弊社では自走用の車椅子を使用し貸出は無料です。
●バックボード
・交通外傷などで活躍するバックボードです。全脊柱固定資機材です。傷病者をこのボードに仰臥位にしベルトで完全に一本丸太のように固定します。
●ヘッドイモビライザー
・バックボードの頭部側に傷病者の頭部を挟む込むように着いた板です。この板で傷病者の頭部を挟む込みさらにベルトでバックボードに固定します。
●ネックカラー
・鞭打ちになった方がよく首に巻きつけているあれです。傷病者の頭部に巻きつけ簡易的に固定する資機材です。
●スクープストレッチャー
・二つに分割して体の下にすべり込ませる構造なので動きが少なく、傷病者の二次損傷を防ぐことができます。頚椎損傷が疑われる場合などに最適です。
・直接体に触れないため安全に、しかも簡単にベッド等からストレッチャーへ移しかえることができます。
・長さは自由に調節できますので、どんな身長にも合せられます。
●ディスポストレッチャー
●ビニールストレッチャー
・コンパクトな膝までの長さなので、狭いところで曲がったり、エレベーターでの搬送が容易です。
・乾燥状態での可搬重量は約120kgです。
●医療用酸素ボンベ
・肺が空気中の酸素を十分取り入れることができず、生体組織が必要とする動脈血の血流分布及びガス分布が不十分な場合には、酸素欠乏症を起こして生体機能は低下します。その際、それぞれの原因に適する方法で酸素を人工的に与えると、生体機能の改善に著しい効果を発揮します。
●酸素流量計(レギュレーター)
・酸素を1ℓ/分~10ℓ/分まで調節して送る機械。
・酸素の流量を調節するダイヤルと、加湿のための蒸留水をいれる ボトル部分があります。
・酸素ボンベに繋ぐタイプと 酸素配管から繋ぐタイプがあります。
●パルスオキシメーター
・ 赤色、赤外の2種類の光を利用して、血液中のヘモグロビンうち酸素と結びついているヘモグロビンの割合をパーセント(%)で表示します。
これを血中酸素飽和度あるいは記号でSpO2と言います。また、パルスオキシメーターはSpO2だけでなく、脈拍数も同時に測定表示します。
●人工呼吸器
・さまざまな原因によって自己の呼吸では十分な換気が行えなくなった際に、換気を補助または強制的に行う器械で、ベンチレーター、レスピレーターともよばれる。
・ 蘇生バッグ、麻酔器のようにバッグを押すことによって人工呼吸を行うものと、電力・ガス圧を利用して自動的に人工呼吸を行うものがあり、一般的には後者が人工呼吸器とよばれている。
●バッグバルブマスク
・口腔よりマスクにて他動的に換気を行うための医療機器である。 一般的にドイツのAmbu社の製品が知られているため医療関係者には「Ambu bag(アンビューバッグ)」等とも呼ばれている。
●酸素マスク ●鼻カニュラ ●リザーバーマスク
酸素投与に関しては、求める酸素濃度で使用するものが違ってきます。 求める酸素濃度が低い場合は、鼻カニュラで十分ですが、高濃度の酸素を求めるのであれば、フェイスマスクやリザーバー付きフェイスマスクが必要になります。
●吸引器
・口腔内、のど(咽頭、喉頭)、鼻腔、気管、気管支、細気管支、肺胞などに溜まっている分泌物を、体外に出す機械。
・自力で痰を体外に排出できなければ、呼吸困難や肺炎の原因になります。その為、自力で痰を出せない方には、外からの力をかりて、痰を気道から出す必要があります。
●精製水
・蒸留や濾過、イオン交換などの手法で精製された水である。無色透明・無味無臭で、場合によっては紫外線などで滅菌または殺菌されている。
・吸引の際、カテーテルを滅菌するために使用いたします。
●吸引カテーテル
・口腔又は鼻腔から挿入し、口腔・咽頭・気管内等の分泌液の吸引を行う際に用いられる。
・当社では10Fr(外径3.3mm)、12Fr(外径4.0mm)、14Fr(外径4.67mm)をご用意しています。
●酒精綿(脱脂綿)
・アルコールをしみこませた脱脂綿のことを 酒精綿といいます。
・吸引の際、カテーテルの挿入口を滅菌するために使用いたします。
●滅菌手袋
・滅菌処理をされている手袋です。
・特に気管切開をされている方の痰の吸引時や、出血に伴う処置をする場合に使用いたします。
●点滴棒
・輸液を吊り下げる棒で、車内やストレッチャーに取り付けています。
・車いすにも脱着可能ですので、ご要望があればお申し付けください。
●クッション
・寝たきりや麻痺をされていて、ご自身で体動が出来ない方にクッションを接触部分に当て、床ずれ(褥瘡)や痛みなどの緩和に使用します。
●救急セット
・応急処置に必要な絆創膏、包帯、三角巾、ピンセット、はさみ、紙テープ、綿棒などを常備しております。
●尿瓶
・尿を受けるための瓶状の容器。
・紙おむつやバルーンカテーテルをされてない方に、車内にて使用します。
●水飲み
・コップやストローで水分補給が困難な方に使用します。
注ぎ口が細く、飲みやすくなっています。
●ガーグルベースン
・患者様のうがい受けや嘔吐物(吐しゃ物)の受け皿として使用します。
・ステンレス製や厚めのプラスチック製を洗浄して繰り返し使われてるのが一般的です。
●血圧計
●体温計
・搬送中のバイタルサインを知るために使用します。
●紙おむつ
・原則、お客様自身でご用意頂きますが、万が一のため常備しております。
・パッド、テープ式がございます。
・患者様のおむつ交換は乗務員が行います。
●紙マスク(サージカルマスク)
・異物を吸入しないようにする目的も強いが、自らが異物(唾液の飛沫など)を飛散させないようにする目的のほうが強い。
・マスクの性能を表す指標としてBFE(細菌濾過効率)とPFE(微粒子濾過効率)がある。アメリカ食品衛生局では、サージカルマスクの基準をBFE95%以上と規定している。
●プラスチック手袋
・使用目的はさまざまで、介護・美容関連にて生じる衛生面を配慮した業務や検査、組み立て・メンテナンスといった作業など、業種を問わず幅広く利用されています。
耐久性に優れ医療現場でも使用されています。
●消毒用エタノール
・手指・皮膚の消毒、医療機器の消毒で塗擦又はガーゼ、脱脂綿等に浸して清拭します。
・弊社では1搬送ごとに車内のアルコール消毒を実施しております。
●医療用ミトン
・大人用のおむつを勝手に外してしまう。
・自分の顔や身体を引っかいてしまう。
・ろう便(便をタンスや布団のなかに隠したり、壁に塗りつけたりする)
・点滴や導尿の管を勝手に引き抜いてしまう。
搬送時、医師やご家族様同意のうえ、装着し事故を未然に防ぎます。